Reyesです。やはり更新します。
民法94条をみましょう。
1.相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
2.前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。
①Aさんは、都心の一当地に土地を持っています。例えば50億円くらいとしましょう。ところが、借金も抱えていて、このままでは債権者に土地を差し押さえられてしまいそうです。
Aさんには、昔からの友人Bさんがいました。Aさんは、Bさんに土地を売ったかのように偽装し、債権者に土地を差し押さえられないように計画しました。債権者は、土地の差し押さえ、競売にかけて債権回収できるのでしょうか?
前回の例で、Aさんは売る気も無いのに売ると言い(意思表示し)、Bさんは買う気もないのに買うと言い(意思表示し)ました。
これは94条1項に従って処理されます。
つまり、何度か書いていますが、売買契約は諾成契約であり、「売る・買う」といえば有効に契約は成立します。ところが、上記の例の「売る・買う」の意思表示は、AB二人の間で嘘と分かっている状態でなされていますので、94条1項により無効とされます。
従って、土地の所有権は、依然としてAさんにあるので、債権者は差し押さえが出来ます。
②ところが、Bさんはほとんどタダのような値段(1000万円としましょう)で買った土地を、Cさんに時価総額相当の50億円で売却し、差額49億9000万円をせしめました。Cさんは、この土地を取得できるでしょうか?
この例で、①と同じ処理をしてしまうとCさんが可哀想です(勿論50億円は返せと言えますが)ね?この場合は、94条2項によって処理します。
AB間の意思表示は嘘ですから、本当は無効なのですが、売買契約が嘘かどうかは外野からは分かりません。
そこで「売買契約によって土地はBのものになった。土地が欲しいからBから買おう。」と思った人は保護する必要があります。
そこで94条2項に従えば、AとBは「あの契約は嘘だよ。土地はAのものなんだから、Bから買っても意味ないよ。」と「善意の第三者」であるCに対しては、言えなくなります。つまり、Cさんは「そんなの知るか!さっさとよこせ!」と言えるわけです。
補足:法律用語で「善意」というのは「何も知らない」という意味です。「悪意」というのは「知っている」という意味で使われます。
追記ですが、民法94条は、「通謀虚偽表示」と言います。
これは、(適当ですが)二人の人が意思を通じ合い、謀(はか)りあって、虚偽の意思表示をするということです。